2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
海洋土木業界ダミー疑惑の政治団体
純利95%パーティー
“ごちそうなし”40人で550万円
二階氏ら自民族議員への献金原資
海洋土木(マリコン)業界のダミー(隠れみの)団体の疑惑がある政治団体「さんそう会」(総務相届け出)が収入の柱としている政治資金パーティーが、西松建設のダミー団体が行っていたパーティーに酷似していることが本紙の取材でわかりました。このパーティー収益の大部分が自民党の“港湾族”議員に献金されており、実態の解明が求められます。
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さんそう会は、歴代の代表にはマリコン大手の五洋建設(東京都文京区)や東亜建設工業(同新宿区)の幹部が就任。会計責任者は旧運輸省港湾局OBという政治団体です。
今回公表された2009年の政治資金収支報告書で、同会は自民党の二階俊博元経済産業相の政治団体「新しい波」に500万円を献金したことが判明しました。
二階氏の他にも、同会は、自民党の政治資金団体「国民政治協会」や同党の旧運輸省港湾局OBの泉信也元国家公安委員長、渡辺具能元国交副大臣らの政治団体に長年多額の献金をしています。
この4者への献金だけで03年からの7年間で、2億1000万円を超えます。
その献金の原資は、政治資金パーティーです。03年から09年までの7年間に24回の開催。1回の収入が平均586万円、純利益が561万円というボロもうけです。一方、収支報告書には、パーティー券の売れた枚数などの記載がなく、謎だらけ。
08年に講師として招かれた医師の男性は「集まったのは30人か、40人。僕が1時間ほど話をして解散したが、ごちそうなどは出ず、パーティーのようなものではなかった。会社の指導的な人の集まりという印象を受けた」と証言します。
この医師が講演したパーティーの収入は、約550万円。実際の参加者と売り上げに大きな開きがあります。
集めた政治資金のうち毎年平均3700万円が港湾族議員らへの政治献金に。いっぽう、人件費や事務所費などは年間35万円ほどで、政治献金のための団体といえます。
こうしたやり方は、会社の少人数の懇親会を政治資金パーティーと偽り、献金の原資を集めた西松建設のダミー政治団体と酷似しています。本紙の取材に、さんそう会の会計責任者は応じていません。
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