2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
リフォーム助成でまちづくり
業者・労働者などが交流集会
第17回全国建設研究交流集会がこのほど、静岡県熱海市で開かれ、建設関連の民間・公務労働者、研究者、全国商工団体連合会などの団体代表など420人が参加。公共事業の半減や住宅着工の低迷などによる受注激減やコスト削減による長期の「建設不況」から脱却し、建設産業をどう再生するか、交流しました。
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松丸和夫中央大学教授が「地域循環型経済社会への展望と建設産業が果たす役割」と題して基調報告、「くらしと地域をささえる建設産業」をテーマとしたシンポジウムのあと、9分科会に分かれて討論しました。
「仕事づくり」
なかでも全国の自治体の約1割、175自治体に広がりつつある「住宅リフォーム助成制度」や、このほど成立した国の補正予算に盛り込まれた「住宅・建築物の耐震化緊急支援事業」による1戸当たり30万円を国が定額助成する耐震改修助成制度を活用して安全・安心の住宅をつくるという「仕事づくり」に関心がよせられました。
仕事づくり分科会では、全国建設労働組合総連合の徳本茂住宅対策部長が「国民の安全・安心、財産を守るために助成制度を活用して仕事を確保するとともに、点から線、さらに面へ拡充して住まいの改善とまちづくりに貢献しよう」と呼びかけました。
京都でリフォーム助成制度を広げる運動をすすめる全京都建築労働組合の松原秀樹書記次長は、与謝野町での活用実態について報告。同町にある1740戸の持ち家に対し、2009年度は451件が助成対象(工事費の15%以内で20万円を限度)になり、約7000万円、10年度もすでに189件で約3000万円が補助されました。(6月24日現在)
9割以上受注
松原氏はこうした実績を踏まえ、「従来『個人資産に税金による助成はできない』とかたくなに否定してきた京都府の姿勢にも変化が見えてきた。住み手や他の建設業者団体との共同がすすんだ」と報告しました。
ことし『公共建築物木材利用促進法』が成立しました。徳本氏は、長野県阿南町で、クラインガルデン(貸農園と一体型の滞在型住宅)建設受注(平屋建て、軸組み在来工法10棟=1棟当たり2000万円、工事総額2億円)に、町内業者の9割以上が元請けの飯田市の地場ゼネコンの1次下請けで受注した経験を紹介。二酸化炭素削減にも役立つ国内産木材利用の促進と地元業者による受注拡大を強調しました。(国民運動委員会・高瀬康正)
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