2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
「思いやり」予算 最上位
政策コンテスト「特別枠」要望を評価
政府は1日、2011年度予算の「元気な日本復活特別枠」に関する評価会議(議長・玄葉光一郎国家戦略担当相)を開き、各省庁が要望した189事業に対する4段階(A〜D)の評価を決定しました。今後、この評価に基づき、約3兆円の要望額を1・3兆円程度まで削ります。AとBに重点配分するとしています。
要望項目のうち、防衛省の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は最上位のA判定で、要望額1859億円が全額認められる見通し。玄葉戦略相は「日米関係の重要性を含め総合的に判断した」と語りました。自衛隊の運用に必要な衛星通信機能の借り上げもA、自衛隊の行動・訓練用の燃料費もBとされています。
特別枠は、「元気な日本復活のための効果が見込まれる」「予算配分を大胆に組み替えるという『特別枠』の趣旨に合うもの」でなければならないとされています。米軍への「思いやり」予算などはこの趣旨に反していますが、高い評価を与えられました。
一方、文部科学省が要望した小学校1、2年生の35人学級実現にかかる教職員人件費については、法律で国に支出が義務づけられている現行の40人学級の人件費しか認めていません。
大学運営費交付金にかかわる「大学の機能強化」はBとされた上、教育・研究の基盤経費を「相当に絞り込む」ことが条件とされています。奨学金や授業料免除の拡充要望はC判定です。しかも、40人学級分の教職員人件費、奨学金を現在受けている人への支給分を認める条件として、他の文教予算を削ることが条件とされています。
厚労省の地域医療確保推進事業もCとされています。
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