2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」

あすから日米共同実動演習

過去最大 緊張加速


 北朝鮮による砲撃事件で北東アジアの軍事的緊張が高まる中、陸海空自衛隊と米4軍による日米共同統合実動演習(キーン・ソード)が3日から10日まで、九州を中心とする日本国内と周辺海空域で実施されます。

 同演習は例年、中国や北朝鮮、ロシアなどを事実上の仮想敵としていますが、北朝鮮情勢に加えて尖閣諸島問題を抱える中での演習強行は、軍事的緊張を高めることになり、重大です。

 1986年に始まり、10回目となる今回は自衛隊が3万4100人、米軍が1万400人で計4万4500人が参加します。前回(07年)の3万1千人を大幅に上回り、過去最大規模です。また、日米あわせて艦船60隻、航空機400機が参加します。

 11月28日から1日まで韓国西方の黄海で、北朝鮮の砲撃に対抗する形で実施された米韓合同演習と密接に連動しているのも、今回の大きな特徴です。

 同演習の中心部隊である米原子力空母ジョージ・ワシントンは黄海から南下して九州近海に展開し、中国による尖閣諸島の侵攻を想定した「島嶼(とうしょ)防衛」など、海上・航空作戦訓練の中心を担います。

 11月25日には、最新鋭のイージス艦「あしがら」が、母港の佐世保基地(長崎県)を出港しました。日本近海で北朝鮮の警戒監視にあたりながら、共同演習に参加するとみられます。

 2日まで、弾道ミサイル迎撃弾SM3を搭載するイージス艦シャイローが京都の舞鶴港に寄港。米韓演習に参加した他のイージス艦や海自イージス艦などとともに、日本海で「ミサイル防衛」(MD)訓練を行います。

物々しい動き 九州

 九州の自衛隊基地では、共同統合演習に連動して、物々しい動きになっています。

 空自築城基地(福岡県)では、1、2日と深夜早朝にわたる「基地警護事前訓練」を実施。共同演習期間中は「基地防空戦闘訓練」と称して、戦闘機が低空進入を行うなど、市民生活に大きな影響を与えます。

 また、春日基地(福岡県)や佐世保基地(長崎県)などでは、共同統合実動演習としては初めて基地警備訓練が行われます。同時期に霧島演習場(宮崎県・鹿児島県)で陸自と米海兵隊による共同演習も行われます。

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