2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
いきなり、四角張った話から。90年ほど前、イギリスの政治家が次のように論じました▼“自由な、規模の大きい国で、政党なしにやってきた国はない。代議政治は、政党なしに作動しない”(ジェームズ・ブライス)。政党と民主主義の関係を説いた言葉として、後の世に伝えられています▼だから、というのでしょう。日本の政治家や学者が、まことしやかに「政党助成金は民主主義のコスト」と唱えるのは。民主主義を守るため政党に活力を、助成金を国民が負担し政党に分け与えよう、というわけです▼しかし、もしそうだとしてもなんと効率の悪いコストでしょうか。政党助成金の山分けは、1995年からです。15年たち、政権党が公約を破ったり民意を無視したりする政治がまかり通ります。利権で民主政治をゆがめる企業・団体献金は、廃止されるはずがいまだに残ります。民主党や自民党は、あわよくば議員定数を削り、国会内の少数意見を締め出そうとたくらみます▼09年の政治資金収支報告によれば、民主は収入の84%、自民は71%を助成金に頼る「国営政党」ぶりです。税金で支える党が、国民との約束を守らず、異なる意見の届かない議会づくりをめざす。政党助成は、非効率どころか逆効果です。民主主義はなえます▼民主政治の活力源は、国家から独立した政党が草の根で人々と結びつくところにあるはずです。助成金を受け取らない日本共産党の収入の93%は、党費や「しんぶん赤旗」読者の紙代、支持者の寄付です。