2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
派遣業界が献金攻勢
法改正阻止へ 民・自・公議員に
労働者派遣法の改正を阻止するため、製造業の派遣会社が政治団体を立ち上げ、民主、自民、公明の議員側に2年間で670万円の献金などを行い、働きかけをしていることが1日までに分かりました。民主党政権の派遣法改定案が「抜け穴」法案となり、自民党が製造業派遣の禁止に反対するなど労働者の願いに背く動きの背景に、企業・団体献金を通じた派遣業界と各党の結びつきが浮上しています。
この政治団体は、「政治連盟 新労働研究会」(会長=日総工産・清水唯雄会長)。製造業派遣17社と、製造業派遣の業界団体である日本生産技能労務協会、日本製造アウトソーシング協会(現在は生産技能労務協会と統合)が発起人となり、2008年6月10日に発足しました。
東京都内のホテルで開かれた発足式には民主党から川端達夫、近藤洋介、三井辧雄、自民党から中川秀直、川崎二郎、田村憲久、後藤田正純、公明党から福島豊の各衆院議員らがそれぞれ出席し、あいさつなどをしました。
新労働研究会は、国会議員を招いて研究会を開くとともに、08年には民主党のパーティー券を計192万円、近藤議員の政治団体のパーティー券62万円をそれぞれ購入。09年は、発足式に参加した前出の民主、自民、公明の8議員の資金管理団体に各50万円ずつ計400万円を献金。後藤田、近藤両議員の政治団体のパーティー券をそれぞれ8万円購入しました。
川端氏は、同党議員でつくる「派遣制度の改善を推進する議員連盟」会長、川崎氏は元厚労相で自公両党の派遣法見直し案をとりまとめるなど、いずれも法改正に影響力を持つ議員ばかりです。