2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」

大学予算 拡充して

国公私立大関係者が共同 教職員・学生ら国会要請


 大学予算の大幅削減が問題になっているなか、国公私立大学の教職員組合や大学関係者、大学生、大学院生の団体などが1日、高等教育予算の拡充を求めて国会要請と国会内共同集会を行いました。国立大学、国立高専、私立大学の教職員、首都圏の非常勤講師など113人が参加しました。国公私立、常勤と非常勤、教職員と学生の違いを超えて実行委員会をつくって開いた初の共同行動です。


写真

(写真)高等教育の充実を求め、危機打開をめざす全国共同国会要請行動に集まった国公私立大学関係者=1日、衆院第2議員会館

所属の枠超え

 行動では、(1)来年度予算について、教育研究費の拡大、学費減免や無利子奨学金の拡大などを求めた予算の確保(2)中・長期的要望として、大学の無償化、奨学金の無利子化と給付制の創設―などを求めました。

 集会では、全国大学高専教職員組合の森田和哉書記長が「予算確定まで粘り、安定した大学予算の確保を求めたい。大学高等教育関係団体、教育団体との共同を広げていきたい」とのべました。

 日本私立大学教職員組合連合の杉本圭治書記長は、私学助成の減額などによる国公立と私立の格差をあげ、「教育の機会均等を保障し、国民の負託にこたえうる私立大学に転換するため、運動していきたい」と話しました。

 全日本学生自治会総連合の小山農委員長は奨学金の返済について、就職難で内定率が6割を切る状況で、借りたものを返せない実態にあると指摘。「教職員と力を合わせ、学生の立場から主張していきたい」とのべました。

 東京都学生自治会連合の塚田幹人書記長は大学予算削減に反対する緊急署名が5064人分に達したと紹介。家族やサークル、クラスや研究室、駅前や大学門前、都内大学の学部長に郵送で協力を依頼するなどで集めたとのべました。

 集会には全日本教職員組合、日本高等学校教職員組合が連帯あいさつを寄せました。

 日本共産党の宮本岳志衆院議員が、民主党、社民党の国会議員とともに出席し、力を合わせて頑張る決意をのべました。


 予算1割削減 菅内閣は2011年度の予算編成で、社会保障費や「特別枠」を除いた一般歳出の1割削減を閣議決定しています。国立大学運営費交付金や私学助成などの教育関連予算も含まれます。国立大学予算に削減率を適用した場合、国立大学の運営費交付金は1000億円以上の削減となります。国立大学が法人化してからの6年間で運営費交付金は毎年削減され、合計830億円削られてきました。それを上回る額です。





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