2010年12月1日(水)「しんぶん赤旗」
政治資金Q&A
Q政治資金収支報告書って何
A 政党や政治団体の1年間の収支と資産状況を記載したものです。政党や政治団体の政治活動を国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公表が政治資金規正法で定められています。
今回公表されたのは2009年分で総務相に提出されたもの。二つ以上の都道府県にわたって活動する政党や政治団体が対象です。報告書を提出したのは3493団体でした。
08年分までの収支報告書は、毎年9月に政党助成金の使途報告書とセットで公表され、その時点で政治資金全体に占める政党助成金の割合(依存度)がわかりましたが、09年分から事務量増加を理由に収支報告書の公表期限が11月末に先送りされました。
主に都道府県内で活動する政党支部や政治団体は都道府県選挙管理委員会ごとに順次公開されます。そのため、政治資金の全体像が一度に把握できない問題があります。
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Qどんなことがわかるの
A 収入では、年間5万円超の献金者と1回で20万円を超える政治資金パーティーのパーティー券購入者、支出では政治活動費として1件5万円以上を支払った相手の名前と住所が報告書に記載され、政治資金の授受がわかります。
国会議員関係の政治団体については09年から、人件費を除く1万円超の支出の報告書記載と領収書写しの添付が義務付けられ、1万円以下は請求があった場合、開示が必要となりました。
09年の政治資金全体の収入額は1244億3000万円で、前年比0・7%減。支出額は前年比24・3%増の1392億8900万円となりました。総選挙で政党助成金などを湯水のように使ったためです。
Q政治団体とは
A さまざまな政治結社のほか、政治家などが政治資金の受け皿として指定する資金管理団体、政治家の後援会組織など広く含まれます。
民主、自民、公明各党などの国会議員は、自らが代表を務める政党支部をもち、ほかにも複数の後援会組織をもっていることが少なくありません。政治団体の間で「寄付」をする手法を多用することで、規制の網の目から逃れられるようになっています。
また各党は、その政党への資金援助を目的とする政治団体として、政治資金団体というものをもっています。民主党は「国民改革協議会」、自民党は「国民政治協会」、公明党は「公明文化協会」です。
日本共産党は、政党中心の政治活動を基本とし、政治資金は政治家個人でなく、中央委員会、各都道府県委員会、地区委員会が責任をもって取り扱い、総務相や都道府県選管に報告しています。
Q献金・寄付にはどんな規制があるの
A 企業・団体献金については、政治家個人の資金管理団体への献金は禁止されていますが、実効性のある規制にはなっていません。政党本部や政党支部、政党の政治資金団体への献金は、献金元企業や労働組合の規模に応じて、最高で年間1億円まで可能になっているからです。政治団体から政党・政治資金団体への献金には上限がありません。
一方、政治団体から政治団体への献金には5000万円の上限が設けられています。
09年の報告書では、企業・業界団体からの献金は27億5400万円で、08年より6億3600万円減りました。