2010年12月1日(水)「しんぶん赤旗」

主張

政治資金収支報告

助成金も企業献金も廃止を


 2009年の政治資金収支報告書が公開されました。国民の税金で賄われる政党助成金にも、企業・団体からの献金にも依存しない日本共産党と、他の政党との対比が鮮明です。

 政治資金は政党や政治団体の姿を映す鏡であり、毎年公表するのは、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」(政治資金規正法第1条)です。他の政党とは対照的な日本共産党の収支報告は、国民に依拠して活動する日本共産党の姿を浮き彫りにしています。

違いが際立つ収入と支出

 2009年は夏に総選挙がたたかわれた年でした。日本共産党中央委員会の支出が252億2411万円と、前年より約1%増えたのはそのためです。他の党も自民党は40%、民主党は81%と大幅に増えています。

 支出の内訳では、日本共産党は「しんぶん赤旗」など機関紙誌の発行などの事業費が63・8%を占めており、機関紙を中心に国民と結びついている姿が明らかです。自民党や民主党は国会議員などへの「寄付交付金」が、支出のほぼ半分を占めています。

 違いが際立つのは収入です。日本共産党は収入の大半を党員の党費や機関紙などの事業収入、個人の献金で賄っています。ところが自民党(本部)は1割が政治資金団体を通じた企業・団体献金で、税金頼みの政党助成金も70%に達します。民主党はなんと収入の83・8%を助成金で賄う“国営政党”ぶりです。総選挙で自公政権から民主党政権に交代したため、自民党への政党助成金や企業・団体献金は一昨年より減り、逆に民主党には増えています。

 政党助成金は、政党支持にかかわりなく国民に税金で負担させる、憲法が保障する思想・信条の自由に違反する制度です。受け取りを拒否している日本共産党以外の各党が分け取りしています。

 一方、選挙権のない企業や業界団体などが献金するのは自らの利益のためにカネの力で政治を左右するためで、本来なら献金を出した側も受け取った側も罪に問われておかしくない、文字通り“腐敗”の温床です。

 憲法の思想信条の自由や結社の自由に支えられて活動する政党は、本来その財政を党員の党費や機関紙などの事業活動、有権者である支持者からの寄付で賄うべきです。憲法違反の政党助成金や、軍需産業など政治をゆがめる企業・団体献金で賄うのは、まったく筋が違います。政治資金の集め方を見れば、どの党がほんとうに政党らしい政党なのか明瞭です。

小沢氏らの疑惑解明を

 今回公表された報告では、政治資金規正法違反で追及を受けている小沢一郎民主党元代表が、解散した旧新生党の資金3億7000万円を政党支部経由で手に入れ、それらを結果的に元手にして総選挙公示直後91人の国会議員候補に配分していた新たな事実も明らかになりました。政治団体への献金の量的規制を免れるため政党支部を迂回(うかい)させた疑惑が濃厚です。

 政治資金収支報告書を偽り、公共事業を受注したゼネコンから見返りに献金を受け取っていた小沢氏の疑惑も未解明です。一連の疑惑の徹底解明とともに、腐敗政治の根を絶つため、企業・団体献金の全面禁止がいよいよ急務です。





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