2010年11月30日(火)「しんぶん赤旗」
日航の人員削減 必要性に疑問
労働弁護団指摘 「整理解雇」やめよ
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日本航空の「整理解雇」表明に対し、日本労働弁護団は29日、解雇回避策の検討などで労働者・労働組合と真摯(しんし)に協議することを求める緊急声明を日航に送付し、厚労省内で会見しました。企業再生支援機構による労組の争議権確立への支配介入にも抗議しました。
緊急声明は、会社が再建中であっても、「整理解雇の4要件」の緩和や無視は許されないことが最高裁で認められている、と指摘しています。
日航本体の削減目標1500人は超過達成されており、人員削減の必要性には疑問があるとしています。
また、一時帰休やワークシェアリングなど、解雇を回避する手法を十分に検討するよう求めています。
日航が公共交通機関として運航の安全確保が再建の絶対条件であり、「整理解雇による人員削減が、運航の安全に影響を与えないかを慎重に吟味するべきである」と強調しています。
水口洋介労働弁護団幹事長は、「会社が再建中でも、『整理解雇の4要件』は適用される。緊急事態のときこそ、法令を守ることが求められる」と指摘しました。
会見に同席した日航乗員組合の山田幸誠副委員長は、「日航の再生には、解雇は絶対認められないと、ワークシェアリングなどを提案してきたが、会社は受け入れない。今後も解雇を防ぐ努力を尽くす」と訴えました。
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