
2010年11月30日(火)「しんぶん赤旗」
日航の安全性を危惧
「整理解雇」 操縦士国際団体が要請
世界100カ国以上、10万人を超えるパイロットが加入する国際定期航空操縦士協会連合会(IFALPA)は29日までに、年齢や「病欠履歴」を基準とした日本航空の「整理解雇」について、安全性の危惧(きぐ)を表明し、日本政府に仲裁を要請(別項)しました。
IFALPAは、日航の「整理解雇」が日本の法律だけでなく、国際的な労働基準も無視するものだと強調しています。労働者を職場に戻し、日航を再生させるため、日本政府に仲裁を要求しています。
要請文(全文)
国際定期航空操縦士協会連合会(IFALPA)要請文は次のとおりです。
IFALPAは、JALの管財人が現在選択している手法が、日本の法律のみならず国際的にも認められている労働基準も無視するものであることを大いに危惧(きぐ)している。
JALの再生計画において、管財人は甚大な人員削減数を打ち出した。人員削減は残念なことではあるが、何より許すことも受け容れることも出来ないのは、特定の乗員を選別して整理解雇に至らしめようとしているその手法である。
管財人の基準によると、55歳以上の機長と45歳以上の副操縦士が整理解雇対象であるという。この手法は明らかに年齢差別であり、倫理的にも法的にも欠陥があるだけではない。最も経験豊かで成長軌道に貢献することになるパイロットたちを、永遠にJALから失うという損失さえも見通せない、経営判断の浅はかさを露呈するものである。
さらには、正当かつ社内規程に準じて病欠したにもかかわらず、当該乗員たちの病欠記録を、JAL管財人が整理解雇基準に用いることは、航空の安全を脅かすものである。この悪しき前例が出来あがれば、乗員は体調不良にも関わらず、職を守るために乗務に就かざるを得ない危険な状況が発生しかねない。
IFALPAは、JAL管財人が(日本も署名している)ILO(国際労働機関)会議に基づきALPA―Japan(日本乗員組合連絡会議)と倫理的・道徳的、かつ商業的にも誤った手法を回避するために協議を始めたと信じたいが、現在までにそのような協議は持たれていないとの報告を受けている。
それゆえ、IFALPAは、この危機的状況を解決するために、JALが誠実であり忠実な従業員を再び職責に就かせ、再生の途に就くために日本政府に対し仲裁に入ることを要求する。
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