2010年11月26日(金)「しんぶん赤旗」
ポルトガル 労働者 24時間ゼネスト
政府の緊縮財政に抗議
“生活守れ”と連帯
ポルトガルの労働組合が同国政府の緊縮財政に反対し、24日に実施した24時間ゼネストは、自分たちの暮らしを守ろうとする労働者の連帯を示しました。(リスボン=小玉純一 写真も)
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夜明け前の午前6時、リスボン対岸のフェリー乗り場で労働者20人がピケを張っています。「深夜に来た。今日は眠らない。賃下げ阻止のたたかいだ」。公営フェリー会社労組のジュゼ・オラグストさんが言いました。
いつもはリスボンへの通勤者でにぎわう場所。「今日は一隻も出航していない」とジュゼさん。職場の約500人の労働者が団結しました。
ポルトガル労働総同盟(CGTP)国際部によると、CGTPは10月1日にゼネストを呼び掛け、各職場で討議とスト賛成の議決をしてきました。政府は、公務員の賃金5%引下げ、年金凍結(物価上昇に見合う引き上げの停止)などを盛り込む来年予算を強行しようとしています。
郊外のフォルクスワーゲン(VW、ドイツの自動車会社)工場の門前にも労働者約50人が集結。労働歌を流し、「労働者! 団結!」と唱和します。
約3000人の労働者のほとんどがストを支持。日産500台の生産が止まりました。組合員のアメリコ・フローシュさんは「今日は『会社に抗議』じゃない。政府の付加価値税率引き上げ(21%から23%)に反対だ。それから公務員に連帯だ。彼ら(の賃金)が下がれば民間も下がる」と話していました。
二つの全国組織CGTPと労働者総連合(UGT)が同じ日に実施するよう呼びかけたゼネストは二十数年ぶり。VW工場で両者の書記長がそろって労働者を激励しました。
大学で医用生体工学を学ぶジョアンナ・ネベスさんはゼネスト支持です。その理由をこう話しました。「両親とも公務員です。(賃下げになれば)私の学費と生活費の分の収入を失います。学費は年間約1000ユーロ(約11万円)。政府はもっと教育に投資すべきです」
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