2010年11月26日(金)「しんぶん赤旗」

在沖海兵隊部隊の全容判明

「思いやり予算」専門部存在

資料を本紙入手


 沖縄に駐留する米海兵隊部隊の全容が、本紙が入手した「在沖縄米軍電話帳」で明らかになりました。この中で、在日米海兵隊基地司令部キャンプ・バトラー(沖縄県北中城村の米海兵隊キャンプ瑞慶覧に所在)に、日本国民の税金による米軍「思いやり予算」を分析・執行する専門部が設置されていることが分かりました。

 電話帳によれば、「思いやり予算」の専門部隊の名称は「受け入れ国支援(ホストネーション・サポート)オフィス」(HNSO)で、「HNS士官」「HNS専門官」「労務担当」「管理士官」などに分かれています。

 同部隊があるキャンプ・バトラーは、沖縄県知事選で「移設」が最大争点になっている普天間基地など沖縄の海兵隊基地や本土の岩国基地(山口県)、キャンプ富士(静岡県)の基地管理部隊を指揮・支援する司令部機構です。

 防衛省資料によれば、2010年度までに「思いやり予算」で整備された海兵隊施設は、▽家族住宅2981▽兵舎108▽管理塔75▽工場78▽倉庫62▽運動施設22▽岩国基地の滑走路移設―などとなっています。

 日本の海兵隊基地に勤務する日本人従業員約4000人(米海兵隊資料)の給与もすべて「思いやり予算」から支出されています。

 日本は米領以外で唯一、米海兵隊遠征軍の恒久拠点ですが、日本の「思いやり予算」が海兵隊駐留の生命線になっています。菅民主党政権は来年度予算案で「思いやり予算」特別協定を現状維持する方針を固めました。

 さらに電話帳によって、実戦部隊では、最精鋭部隊である第31海兵遠征隊(31MEU)のうち後方支援部隊(第31戦闘兵たん大隊)の詳細な任務区分が判明しました。

 また、歩兵・砲兵・航空各部隊で3個大隊、6個中隊が、「部隊展開計画(UDP)」に基づき米本土から6カ月交代で配備される部隊であり、そのうち1個中隊は米空軍嘉手納基地に配備されていることが分かりました。





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