2010年11月24日(水)「しんぶん赤旗」

干渉なしでこそ平和

ボリビア大統領が米国批判

米州国防相会議


 【メキシコ市=菅原啓】南米ボリビアのモラレス大統領は、同国東部サンタクルスで22日に開幕した第9回米州国防相会議でのあいさつで、他国の内政や外交路線に圧力をかける米政府の干渉や覇権主義を厳しく批判しました。

 この批判は、ゲーツ米国防長官が21日、ボリビアやベネズエラなど中南米の一部の国と、核兵器開発疑惑のもたれているイランとの関係が発展していることを問題視する発言をしたことに対抗したものです。

 大統領は、ボリビアは「対話の文化」の国であり、世界中の国と協定や同盟を結ぶ権利があるとし、「それを禁じることは誰にもできない」と力説しました。

 ボリビアでは2008年、米国追随を拒否して自主的な国づくりを進めるモラレス政権に反対する野党勢力が暴力的な抗議行動を激化させる事件が発生。モラレス大統領は野党勢力を扇動していたとして当時の米国大使に国外退去を命じた経過があります。

 大統領は、こうした自国の経験を振り返りながら、ベネズエラ(02年)、エクアドル(今年9月)のクーデター未遂、ホンジュラスでのクーデター事件(09年)でも、米国の干渉があったと指摘。米国はホンジュラスでは勝利したが、「われわれ中南米の諸国民はベネズエラ、ボリビア、エクアドルで勝利した。米国との勝敗は3対1だ」「干渉や覇権主義なしでこそ平和は保障される」と語りました。

 会議に出席していたゲーツ長官はこれに反論せず、自らの発言を終えると帰国の途に就きました。米大使館はボリビアが会議の重要な課題での前進させる機会を失いかねないとのべ、懸念を表明する声明を発表しました。

 米州国防相会議には南北米州30カ国が出席。25日までの予定で、米州地域の平和、各国の軍事費の透明化などが議論されることになっています。





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