2010年11月24日(水)「しんぶん赤旗」
外材依存やめ林業再生
北海道 美幌 町長・森林組合幹部ら参加
党シンポに260人
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「森林・林業の再生とまちづくりを考えるシンポジウム」が23日、北海道美幌(びほろ)町で開かれました。日本共産党北見地区委員会と党国会議員団北海道事務所が開いたもので、会場の農協ホールには260人が詰めかけました。
東京農業大学の黒瀧秀久教授が「北海道林業の振興の課題」と題して講演。日本共産党の紙智子参院議員、土谷耕治美幌町長、美幌森林組合の小寺敏隆組合長、協同組合オホーツクウッドピアの山田清理事長がパネリストとして林業再生の提言をしました。
黒瀧氏は「国内の木材価格が低迷し林業が衰退することで、環境や生物多様性の保全など公益的機能が低下した」と指摘。「公的資金の投入で森林を管理すること、上流と下流の循環で漁民と共に森林を守ることが大切です」と語りました。
紙議員は「それぞれの地域の特徴にあった取り組みが必要」とした上で、「外材依存政策の転換、住民参加による地域林業、生産基盤となる林業・作業道の整備、国産材の適切な利用で林業・木材産業の再生を図ることが大切です」と強調しました。
「美幌町の面積の62%は森林で、半分は民有林」と紹介した土谷町長は、「木質ペレット製造の事業化で雇用を創出したい。国の安定した支援が必要なので、紙議員の活躍に期待を寄せています」と話しました。
小寺組合長は「道内2番目に森林認証制度の認証を受けました。伐採の後には必ず造林し、環境に配慮しています。各事業者がバラバラではなく、地域で一貫した生産活動をすることで競争力を得ることができます」と強調しました。
協同組合オホーツクウッドピアの山田理事長は、カラマツなどの人工林を原木に、住宅や公共施設に資材となる強度の高い集成材の生産事業を紹介。「地元の資源を生かして、地域経済に貢献したい」と話しました。
環太平洋連携協定(TPP)について紙議員は「北海道では農林漁業、経済、消費者の各団体が一緒になって反対の声明を上げました。多くの国民のみなさんに事の本質を理解してもらい、押し返していきましょう」と呼びかけました。
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