2010年11月24日(水)「しんぶん赤旗」

北朝鮮が韓国の島砲撃

兵士2人死亡、民間人負傷

一時交戦状態


 韓国合同参謀本部によると、北朝鮮は23日、黄海に面した海岸から韓国側が支配する延坪(ヨンピョン)島に砲撃しました。韓国軍が応戦し、一時交戦状態となりました。韓国軍兵士2人が死亡、16人が重軽傷を負い、民間人にも負傷者が出ました。

 延坪島は、韓国が軍事境界線として定めた北方限界線(NLL)に隣接しており、付近では、たびたび南北の衝突事件が発生。1999年、2002年、09年に艦艇同士の銃撃戦が起こったほか、今年3月には韓国軍哨戒艦の沈没事件が起きています。

 この地域では双方の軍の間でたびたび衝突や砲撃が繰り返されていました。北朝鮮が民家600戸、住民1600人が住む島に砲撃を行い、民間の被害を出したことは極めて重大です。

 韓国政府は、挑発行為を即時停止するよう北側に要求。大統領府は「韓国に対する明白な武力挑発であり、決して容認できない。新たな挑発があれば、断固対応する」との声明を発表しました。

 韓国の李明博(イミョンバク)大統領は、安保関係閣僚会議を招集。「戦闘が拡大しないようにきちんと対応してほしい」と指示しました。

 韓国軍は、同日午前10時すぎからこの海域で軍事訓練を実施していました。同島から南側に向けて海上射撃訓練を行っていたところ、北朝鮮の海岸から砲撃を受けました。午後2時34分から2時55分までと午後3時10分から4時42分まで、断続的に100発ほど撃ちこまれました。そのうちの一部が、民間人の居住する地域に落ちたといいます。

 北朝鮮は、韓国側の訓練に先立ち、「訓練は北朝鮮への攻撃ではないか」と非難し、同日午前8時には「南側が領海に射撃すれば、座視しない」と通告していました。

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