2010年11月21日(日)「しんぶん赤旗」

自民支部経由の献金

菅首相・海江田経財相らに流入

東京不動産政治連盟


 東京都宅地建物取引業協会の政治団体、東京不動産政治連盟(瀬川信義会長)が2009年、自民党支部を経由して集めた企業献金の一部を、菅直人首相や海江田万里経済財政担当相や都議会民主党に回していたことが20日、本紙の取材で明らかになりました。昨年8月18日の衆院選公示日には両氏の団体に寄付、陣中見舞いを届けています。


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(写真)東京不動産会館(手前)と東京不動産政治連盟が入る飯田橋メインビル=東京都千代田区

総選挙前後に集中 09年

 都選挙管理委員会が19日に公表した09年の政治資金収支報告書によると、東京不動産政治連盟は同年、自民党東京都宅建支部(瀬川信義支部長)の寄付2588万円を含め1億3109万円の収入をあげ、政治活動費として1億426万円を支出しました。

 東京不動産政治連盟と下部組織33支部のうち28支部が09年、自民党、民主党、公明党、みんなの党、石原慎太郎知事、区議や市長らの団体に寄付や政治資金パーティー会費などの名目で支出した額は計約2570万円にのぼります。(図)

 民主党は国会・都議の団体や都議会民主党のパーティーと寄付など340万円を受けました。最多は菅首相の政治団体の85万円。「菅直人を応援する会」は東京不動産政治連盟から総選挙前後に計60万円、衆院選の公示日に小金井支部から10万円、公示1週間前にも武蔵野三鷹支部から5万円の寄付、菅氏の資金管理団体・草志会も11月に10万円の会費を受けました。

 海江田経済財政相の選挙事務所は、総選挙公示日に千代田中央支部から10万円の「陣中見舞」、同氏が代表の民主党都第一区総支部も投票日翌日に10万円の寄付を受けました。

 自民党には2020万円を献金し、都連の政治資金パーティーや石原伸晃幹事長の団体、川井重勇都議の自民党幹事長就任祝賀会の会費を支出。公明党には太田昭宏前代表の政治団体などに130万円、みんなの党の柿沢未途衆院議員の団体に会費5万円を支出、石原都知事の政治団体・石原慎太郎の会に30万円支出しています。

 東京不動産政治連盟の役員は本紙の取材に対し、自民党宅建支部からの寄付について「何割かはそちら(民主党)にも回っている」と認め、「以前は自民党中心だったが、政権交代してからは民主党のパーティー券を買っている。みんなの党からも案内がきたので、パーティー券を買おうと相談している」と語りました。


 東京不動産政治連盟 1976年設立の政治団体で会員は約1万5000人。事務所(千代田区富士見)は都宅地建物取引業協会の東京不動産会館に隣接するビルの3階に自民党都宅建支部と同居。代表者と会計責任者、事務担当者は両団体とも同一人物です。

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