2010年11月18日(木)「しんぶん赤旗」
アフガン 自衛隊派遣は違憲
井上議員 2年前の態度と矛盾
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日本共産党の井上哲士議員は17日の参院予算委員会で、菅直人首相が13日の日米首脳会談で、アフガニスタンに自衛隊医療部隊の派遣を検討すると表明したことをとりあげ、「アフガン復興にも憲法9条にも反する」と撤回を迫りました。
井上氏は「自公政権時代、インド洋上で給油活動を行ったが、アフガン本土への派遣は憲法上できなかった」と述べ、「どんな法的根拠で派遣するのか」と質問しました。
北沢俊美防衛相は、国際治安部隊(ISAF)のNATO(北大西洋条約機構)軍の訓練ミッションに医療・衛生分野の教官派遣を要請されていることを明らかにし、「法的根拠も含めて検討している」と答弁しました。
井上氏は、ISAFがタリバン掃討を行っている軍事部隊であり、ISAFの文書に、派遣された医官の行う活動が「戦場での初期治療」と明記されていることをあげ、「戦闘行為と密接に結びついたものだ。憲法に違反する」と批判しました。
井上氏が「今年上半期の紛争による民間人死傷者は3268人。まさに戦地といえる状態だ」と指摘したのに対し、菅首相は「まだまだ戦闘やテロが頻発している」と認めました。
井上氏は、2年前に民主党が出したアフガン復興支援法案では「住民の生命もしくは身体に危害が生じることはないと認められる地域」など自衛隊派遣条件を限定し、そうした地域はないとしていた事実を示し、「当時より情勢が悪化している今、なぜ自衛隊を送ることが可能なのか」と追及。北沢防衛相は「派遣される医官の法的地位の確保が必要」などとまともな答弁を避けました。
井上氏は「民生支援を行っているボランティアの人も(武装勢力の)ターゲットになるから反対だと言っている。派遣は憲法9条に違反する」と主張しました。