2010年11月17日(水)「しんぶん赤旗」
レッド・パージ
政府は共同実行者
研究者の明神氏が証言
日本共産党員と支持者が職場から追放されたレッド・パージの犠牲者が国家賠償を求めた裁判の弁論が16日、神戸地裁であり、レッド・パージ研究の第一人者、明神勲・北海道教育大学名誉教授が証言しました。
明神氏は尋問に答え、1950年7月18日付など一連のマッカーサー書簡は「アカハタ」無期限発行停止などを指示したものであり、GHQ(連合国軍総司令部)は公共的報道機関や民間産業でのレッド・パージについては指示でなく示唆したにすぎないと指摘。日本政府は、その示唆を利用して指示であるかのように取り扱い、GHQの権力を利用して念願のレッド・パージを遂行した積極的な共同実行者であり、重大な責任を負っていると強調しました。
60年の最高裁決定で、マ書簡の指示が「その他の重要産業」にも及ぶとして「そのように解すべきである旨の指示が当時裁判所に対してなされたことは当法廷に顕著な事実」としたことについて、明神氏は新たに入手したGHQ民政局文書を示し、GHQの「解釈指示」の実態は助言にすぎなかったことを論証。「今回、新たな説を提起した。最高裁決定を確定したものとするのではなく、改めて再検討を」と裁判官に要望しました。