2010年11月17日(水)「しんぶん赤旗」
「こども園」5案示す
「幼保一体化」子育てチーム会合
政府は16日の「子ども子育て新システム検討会議幼保一体化ワーキングチーム」の会合で、保育所と幼稚園を一体化した「こども園」について5案を提示しました。前回に示した、保育所と幼稚園を廃止、10年後に「こども園」制度に一本化する案に「幼稚園制度の廃止を前提とする『幼保一体化』構想には絶対に反対」(全日本私立幼稚園連合会)など厳しい意見が出されたためです。
当初案のほか、(1)法律上はこども園制度に移行するが保育のみを提供するなど多様な類型を認め、幼稚園、保育所を名乗ってよい(2)幼稚園と保育所制度は存続させ、新たに一体的施設としてこども園を創設(3)幼稚園、保育所制度を存続させ、新システムの指定対象とする(4)保育所だけをこども園に移行、幼稚園は存続――を提示。公的保育制度の根幹である市町村の保育実施義務がなくなり、多様な事業者が参入する指定制度で、直接契約・直接入所となる仕組みは共通しています。
議論では、性急な一体化は無理があり、第3案〔(2)〕か第4案〔(3)〕が現実的との意見が複数出ました。新システムで保護者負担がどうなるのか、付加的な徴収で負担増の恐れがある、施設が子どもを選考する仕組みは容認できないなどの意見や、質を保障する基準や職員の処遇など具体的議論が大切との意見が出ました。