2010年11月14日(日)「しんぶん赤旗」

日中首脳 急きょ会談

戦略的互恵関係を再確認


 菅直人首相と中国の胡錦濤国家主席は13日夕、横浜市内で開かれているAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議の場で急きょ、22分間の会談を行いました。

 日本側は首脳会談の開催を申し入れていましたが、中国側は回答を留保。最終的には会談開始約30分前の午後4時50分に確定しました。

 会談で両首脳は、(1)長期的に安定した日中の戦略的互恵関係の発展は両国の利益に合致し、地域と世界の平和と安定にとっても重要(2)政府・民間分野の交流・協力を拡大する(3)G20やAPECを踏まえ、経済分野などグローバルな課題で協力を促進する―の3点で合意しました。

 尖閣諸島問題については、菅首相が日本の「確固たる立場」(福山哲郎官房副長官)を伝えました。一方、胡主席も中国側の立場を表明しましたが、具体的なやり取りは明らかにされませんでした。

 日中両国の首脳が正式な会談を行うのは、9月7日に尖閣沖で中国漁船と海上保安庁巡視艇との衝突事件が発生して以来、初めてです。10月30日の東アジア首脳会議(EAS)では、菅首相と胡主席が顔を合わせる機会がありましたが、約10分間の「懇談」にとどまっていました。

 中国側は一時期、政府レベルの交流を完全に停止する強行措置を取っていました。福山副長官は、「日中関係改善の大きな一歩を踏み出した」との見通しを示しました。





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