2010年11月12日(金)「しんぶん赤旗」
全面解決へ協力要請
薬害イレッサ原告・弁護団 共産党に
多数の死亡者を出した肺がん治療薬「イレッサ」をめぐり国と製薬会社の責任を問う薬害イレッサ訴訟の原告と同弁護団は11日、国会内で日本共産党にたいしイレッサの被害の実情を訴え、全面解決への協力を要請しました。高橋ちづ子衆院厚生労働部会長があいさつ。志位和夫、赤嶺政賢、田村智子の各議員の秘書が同席しました。
イレッサは2002年7月、承認申請からわずか5カ月という異例のスピードで世界に先駆けて承認され、ことし3月末までに810人もの副作用による未曽有の死亡者を出しています。
東日本訴訟(東京地裁)、西日本訴訟(大阪地裁)ともに結審し、大阪は来年2月に判決が予定されています。
娘を亡くした原告の近澤昭雄さんが「当時は延命効果が大きくこんなに確かな薬はない、との情報ばかりで信じて使った。たたかい始めて6年、訴訟のなかだけでは解決できない問題が多い。国会のなかでがん医療の改革を進めてほしい」と訴えました。
弁護団の水口真寿美副団長が同事件の経過を説明。「訴訟の判決を待たず、政治の力を借りて全面解決をすべき事案と考えている」とのべ、抗がん剤の副作用による死亡を対象とする副作用被害救済制度の創設や、同事件の教訓を生かしたがん医療改革推進などへの協力を求めました。