2010年11月12日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 先の赤旗まつり2日目、沖縄の物産模擬店へ走りました。前日に目をつけておいた黒糖酒を買うために。しかし、1本も見当たりません。「朝一番にすべて売り切れました」とのこと▼黒糖酒は、サトウキビからつくります。「ざわわ、ざわわ…」の歌のように、沖縄といえばサトウキビです。サンゴ礁の青い海とともに、緑広がるサトウキビ畑は、沖縄の原風景でしょう▼いま、沖縄のサトウキビが危ない。菅内閣が、「すべての品目」の貿易自由化をめざす環太平洋の戦略的経済連携協定(TPP)に加わろうとしているからです。沖縄県議会は、政府に参加しないよう求める意見書を可決しました▼意見書はいいます。「サトウキビ、肉用牛、養豚、パイナップルなどが壊滅的な打撃を受ける」。サトウキビ畑は、沖縄の畑のほぼ半分を占めます。離島はとくに栽培が盛んです。「サトウキビがなくなれば尖閣と同じ、人の住めない島になる」。6日付日本農業新聞に載る、宮古島の島民の話です▼農家への影響だけではありません。製糖工場、黒糖酒やお菓子をつくる会社。最近は、サトウキビを紙や建材の原料にする試みもあります。なにしろ、経済波及効果が生産額の4・3倍というサトウキビです▼財界の理屈に従えば、“黒糖酒も菓子も輸入サトウキビでつくればいい”となるでしょう。しかし、作り手も売り手も買い手も、納得するとは思えません。そういえば、米軍の普天間基地も、かつてはサトウキビやサツマイモの畑でした。





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