2010年11月10日(水)「しんぶん赤旗」
日本・ベトナム両党
理論交流おわる
|
日本共産党代表団(団長・不破哲三社会科学研究所所長)とベトナム共産党代表団(団長・トー・フイ・ルア党政治局員・中央理論評議会議長)は9日、前日に続き党本部で会談を行い、2日間の理論交流を終えました。
不破氏は、理論会談でのベトナム代表の発言にふれながら、ベトナムが祖国を統一して社会主義の道を選択し、その後の実践のなかで市場経済を通じて社会主義にいたる方向をすすんでいることを指摘。資本主義ではなく、社会主義を目指すという立場に立っているからこそ国民全体の利益にかなう発展が可能だということを、あらゆる機会を通じて国民全体に事実で証明していく努力が重要になっていることを強調しました。
ルア氏は、とくに党員一人ひとりが草の根のレベルで国民に説明と説得をすることができる共産党になる必要がある、という不破氏の指摘は重要だと応じ、「われわれに対する信頼と評価に感謝します。ぜひ今後も理論交流を続けましょう」と述べました。
この日の会談では、ベトナム側から4人が次のテーマで発言しました。
ホアン・チー・バオ中央理論評議会高級専門家 「科学・技術革命、情報社会、グローバル化と国際統合における労働者階級、共産党、社会主義―発展の機会と試練」
グエン・スアン・タン社会科学研究院副主席 「グローバル財政危機・経済後退、各国の経済・社会開発モデル・政策調整」
ディン・テー・フイン中央委員・ニャンザン編集長 「現代における社会主義と資本主義の思想・理論闘争」
グエン・ビエット・トン中央理論評議会秘書長 「2011年補充・発展の党綱領案の社会主義に関するいくつかの理論問題」
これを受け、山口富男社会科学研究所副所長が、「金融分野での監督・規制の強化や国際通貨基金、世界銀行の改革が、世界政治の重要な課題となり、各国の経済政策、開発政策にも検討すべき多くの課題が出ている」と指摘し、3点にわたって発言しました。
会談終了後、日本側の不破団長主催の理論会談締めくくりの夕食会が開かれ、両代表団の参加者は2日間の理論交流の感想やベトナムの現状、日本の党の活動、1960年代からの両党交流の出来事などについて懇談しました。