2010年11月9日(火)「しんぶん赤旗」
北海道あげてTPP反対
農・林・漁業、経済界、消費者
5団体トップが共同会見
政府は9日の閣議で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応について基本方針を決定し、関係国との協議を始めようとしています。これに対し、北海道の農林漁業、経済、消費者団体のトップが8日、そろって記者会見し、TPP参加について反対を表明しました。
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記者会見したのは、北海道農業協同組合中央会(JA北海道中央会)、北海道経済連合会、北海道消費者協会、北海道漁業協同組合連合会、北海道森林組合連合会の5団体。
北海道庁の試算では、TPP参加で北海道の全農家戸数の7割を超える3万3千戸の営農が困難になり、2兆1千億円の経済的影響が出ます。
JA北海道中央会の飛田稔章会長は「『金を出せば食料は手に入る』という時代は終わります。国民の食と命をはぐくむ農業を守るためTPPに反対し、食の大切さを国民の中で大いに議論していきたい」と語りました。
北海道経済連合会の近藤龍夫会長は「農業は北海道経済の中心です。中央経済界では早期参加の声が上がっているが、私たちの考えとは差があります」として、TPP参加反対を訴えていく考えを示しました。
北海道消費者協会の橋本智子会長は「TPPが締結されると食料自給率は14%まで減少し、安価な食料品が大量に出回って食の安全に不安が起きます。政府は食料確保について、国民に十分な説明をしていません」と批判しました。
「TPPで浜が崩壊するという危機感を持っています」。こう訴えた北海道漁業協同組合連合会の佐藤忠則常務は、「力を合わせて反対していきます」と決意表明をしました。
北海道森林組合連合会の岡本光昭副会長は「木材産業では33億円の影響が出ると試算しています。すでに丸太は完全自由化になり、林業は大変な苦境に立たされている。その轍(てつ)を踏んではいけません」と訴えました。
5団体は12日に札幌市で道民決起集会を開き、「TPP反対」の声を広げていくことにしています。
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