2010年11月6日(土)「しんぶん赤旗」
日ロ領土交渉 転換を
笠井氏、政府に要求「国際的道理に立て」
日本共産党の笠井亮議員は5日、衆院外務委員会で、ロシアのメドベージェフ大統領による千島列島の国後(くなしり)島訪問に強く抗議するとともに、日ロ領土問題の解決にむけ、「従来の政府の立場を根本的に見直し、歴史的事実と国際的道理に立った交渉をすべきだ」と主張しました。
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笠井氏は、千島列島は、幕末から明治にかけて日ロ間の平和的な外交交渉で日本の領土と確定された事実を提示。ところが、第2次大戦終結時、スターリンが「領土不拡大」という戦後処理の大原則を踏みにじり、北海道の一部である歯舞(はぼまい)群島・色丹(しこたん)島とともに千島列島を一方的に編入して、領土問題が起こったものだと指摘しました。
笠井氏は、日本共産党が1969年、全千島と歯舞、色丹両島の返還を求めたことを紹介し、「ソ連の大国主義的領土拡張の誤りをただし戦後処理の不公正を是正するところに、領土問題解決の根本がある」と主張。前原誠司外相は、歴史的事実について「同じ認識」と答えました。
笠井氏は、領土交渉が半世紀以上も不毛な結果に終わっているのは、(1)51年のサンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄した(2)同条約の枠内で解決しようと「国後、択捉(えとろふ)は千島に属さないから返せ」と主張した―二つの問題点があると指摘。「自民党政権時の領土交渉そのままを引き継ぐのでなく、根本的に再検討すべきだ」とただしました。
前原外相は、サンフランシスコ講和条約で千島を放棄しているとして、国後、択捉両島は千島ではなく、歯舞、色丹両島とあわせ「北方四島」であるという従来の立場を「踏襲する」と述べるにとどまりました。