2010年11月5日(金)「しんぶん赤旗」

沖縄砲撃演習の本土「移転」

「軽減」どころか強化

県平和委監視結果


 沖縄県平和委員会(与儀喜一郎代表理事)は4日、沖縄県庁内で記者会見して、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意にもとづく県道104号越え実弾砲撃演習の本土「移転」の実態について、今年まで14年間の監視調査結果を公表しました。

 実弾演習「移転」は、「沖縄の負担軽減」の触れ込みで、1997年から本土5カ所(北海道・矢臼別、宮城・王城寺原、静岡・東富士、山梨・北富士、大分・日出生台=ひじゅうだい=)で順次行われています。

 会見した大久保康裕事務局長は、沖縄でできなかった訓練を質量ともに格段に強化したものであり、沖縄にとっては新たな訓練施設を持ち込み、新たな痛みに差し替わっただけ。国民・県民だましの演習の拡大・強化にすぎない」と指摘。「『移転』で基地問題は解決しないことは明らか」とのべました。

 「沖縄で見られなかった特徴」として、(1)年平均の発射弾数が沖縄の1・38倍と「異常なペースで増加している」(2)沖縄では許されなかった夜間の実弾射撃の急増(224日)(3)沖縄でできなかった最大射程の砲撃演習や寒冷地訓練、白リン弾使用の恒常化(4)自治体や民間を巻き込んだ有事体制づくり―など8点を指摘しました。

 監視行動は、演習場を抱える各地の平和委員会を中心に地元の団体・個人が「連絡会」「県民の会」などを結成。合計389日の実弾射撃訓練日と、その前後各10日間を含め約1200日にわたって行われました。





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