2010年11月5日(金)「しんぶん赤旗」
那覇軍港 「ヘリ基地化」
ごう音 相次ぎ普天間へ
比演習から帰還 米海兵隊部隊
ゴー、ゴー。4日午前10時すぎ沖縄県那覇市の米軍那覇軍港。埠頭(ふとう)から海兵隊普天間基地第265中隊所属の中型ヘリCH46が、普天間基地に向けて相次いで発進し、辺りは、すさまじいごう音につつまれました。(山本眞直)
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ヘリは、9月中旬から実施されたフィリピンでの水陸両用軍事演習から帰還、3日に同港埠頭に陸揚げされました。海兵隊のヘリ部隊は同県うるま市のホワイトビーチから強襲揚陸艦に搭載されて海外に展開するケースが一般的とされています。同軍港を使う場合も、ローターを外して陸上輸送されたヘリを高速双胴船に搭載して輸送するのが通常です。今回のように演習で海外展開したヘリをコンテナ船で陸揚げし、埠頭に一昼夜、駐機するのは異例と見られています。
普天間基地のヘリ部隊は、米海兵隊で唯一、常時前方配備している第3海兵遠征軍の航空部隊です。ホームベースは普天間基地(宜野湾市)。沖縄県平和委員会の大久保康裕事務局長は「緊急展開作戦などではホワイトビーチから出撃するが、軍事演習では内容によっては普段はあまり使わない軍港をも“柔軟”に使うということなのかもしれない」と指摘します。
日本への返還が決まっている那覇軍港で、突然に「ヘリ基地」とばかりに自由使用する米海兵隊。米軍のこうした勝手なふるまいは、普天間基地の「県内移設ノー」という県民総意と名護市辺野古沿岸への新基地建設を押し付ける日米両政府との「対決」となる沖縄県知事選(11日告示、28日投票)での新たな審判材料です。