2010年11月4日(木)「しんぶん赤旗」

英仏、核実験で協力

軍事的連携強化へ条約締結


 【ロンドン=小玉純一】キャメロン英首相とサルコジ仏大統領は2日、ロンドンで会談し、核実験協力をはじめとした広範な軍事協力で合意、防衛安全保障条約と核技術協力の条約に署名しました。両国とも単独では難しい“国際的影響力の維持”のために、軍事的連携の強化に踏み出しました。

 会談後発表された共同宣言は、核兵器の技術協力について「核弾頭の性能維持のための模擬実験」をフランスの共同施設で実施し、英国の共同技術開発センターが「実験を支援する」とし、「前例のない協力」だと指摘しました。

 英紙フィナンシャル・タイムズは「英仏はこれまで、核兵器を国家独立の基盤だとして核の機密を保護してきた」が、「新世代核弾頭の開発に実験データを共有する」ことになると伝えました。

 英国BBC放送によれば、サルコジ大統領は声明で、仏の核実験センターは2014年に稼働を始めると述べ、キャメロン首相は共同会見で、「核兵器の共有ではない」が、「核実験の協力は数百万ポンド(1ポンド=約130円)の経費を浮かせる」「核の条約は50年存続し核の安全を強化する」と指摘しました。

 両国は共同遠征部隊の展開でも合意。BBCは双方約5000人ずつから成る部隊で、その都度選ばれる1人の司令官のもとで活動すると伝えました。共同部隊の展開はその都度の合意が前提とされます。

 共同宣言は、統合した空母打撃部隊を2020年代初期までに展開させるとし、それまで仏空母での協力を明記。また無人機システムの協力もうたいました。





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