2010年11月4日(木)「しんぶん赤旗」
政府がすすめる「地域主権改革」
国の責任 自治体まかせ
全労連がシンポ
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民主党政権がすすめる「地域主権改革」で、国民生活がどうなるかを検証しようと3日、全労連は「地域主権」を検証するシンポジウムを開きました。140人が参加しました。
「地域主権改革」をめぐっては、菅内閣が6月に「地域主権戦略大綱」を閣議決定し、前国会に提出された地域主権関連法案が今国会で継続審議とされています。
主催者あいさつした小田川義和事務局長は、「地域主権改革」は市民、国民に「自己責任」「自立の強制」を押しつけるものではないのかと指摘。国民生活にかかわる分野で問題点を明らかにすることが必要だと強調しました。
シンポジウムでは「地域主権改革」による影響について3氏が発言。自治労連千葉県本部の白鳥裕一書記長は、特別養護老人ホームの設置・運営などの基準を自治体で定めるとしているが、自治体のサービスに格差が生じると語りました。
国交省全建設労組の古澤一雄副委員長は、今後ばく大な経費がかかる公共施設の管理を県などに押しつけようとしていると指摘。道路や河川の管理は権限ではなく国の責任だとして、国民の安全・安心の確保を前提としない「改革」だと批判しました。
全生連の辻清二事務局長は、公共住宅に入る基準を自治体まかせにするなど、生存権保障と「福祉の増進」を目的とする国・自治体の責任を放棄するものだとのべました。
討論では各労組の代表が発言。全法務省労組の代表は、国の出先機関の廃止で、地方移管がねらわれている法務局について、「登記事務は、専門的な仕事でもあり、国の責任で行われなければならない」としました。
千葉・船橋市職労の代表は、「国の最低基準の撤廃では子どもの命は守れない。住民からの横断的な大運動が必要だ」と発言。大阪労連の代表は、「黒字の府営住宅や、救急救命センターを民間委託しようとしている」と告発し、府民の願いに反する知事の動きを知らせたいと語りました。
京都大学の岡田知弘教授が基調講演をしました。