2010年11月4日(木)「しんぶん赤旗」
TPP
労働者にも悪影響
交渉参加断念を 全労連が談話
政府がめざしている、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加について、全国労働組合総連合(全労連)の小田川義和事務局長は2日、参加決定に反対する談話を発表しました。「農林漁業や地域経済を危機に追いやり、地域の雇用の喪失をより深刻にさせる」として、交渉参加を断念するよう菅政権に強く求めています。
談話は、TPPが、物品およびサービス貿易の自由化に加え、人の移動や投資、政府調達などの分野も含めた包括的な「貿易障壁」撤廃を多国間で協定しようとするものだと指摘。それへの参加は、農林業など第1次産業はもとより、「ハゲタカファンド」の投資行動、産業構造への影響と産業構造変化にも起因する雇用への影響、移民労働問題など、「労働者にも直接的で広範な影響が生ずることが懸念される」と強調しています。
また、菅内閣が、一部の輸出企業に効果が集中する「貿易障壁」撤廃効果のみを強調して参加を決定しようとしていることは問題だと指摘。“行き過ぎた外需依存”の一方で、内需がぜい弱という「ゆがんだ日本経済の現状をさらに深刻にさせかねない」と批判しています。