2010年11月2日(火)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏証人問題

喚問の実現は民主党の責任だ


 民主党が、小沢一郎元代表の証人喚問問題や鳩山由紀夫前代表の偽装献金問題での資料公開などにこたえないまま補正予算案の審議を進めようとし、週明けの国会は一時緊迫しました。野党の反発で補正予算案についての財政演説の1日の強行は見送られることになりましたが、民主党は小沢氏の証人喚問問題などでも対応策を示し、徹底審議にこたえるべきです。

小沢氏の喚問は不可欠

 菅直人首相(民主党代表)は1日午前の衆院予算委員会でも、小沢氏の証人喚問について、「何らかの形で判断しなければならない段階になれば、私も党としての最終判断をしたい。もうしばらく岡田(克也)幹事長に努力をお願いしている」としか答えませんでした。岡田氏は小沢氏に面会を求めているが小沢氏が拒否しているとも伝えられています。

 国会での証人喚問は、議院証言法にもとづき国会が決めることです。当の小沢氏も国会が決めれば従うと発言してきました。日本共産党など野党は小沢氏の証人喚問を要求しており、民主党が同意すれば、全会一致で小沢氏を国会に喚問することができます。証人喚問への対応を明らかにしない、民主党の責任は重大です。

 自らの資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、3人の元秘書が逮捕され裁判を控えているだけでなく、自らも検察審査会の議決で「強制起訴」が決まっている小沢氏の問題が、国会での証人喚問に値することは明白です。

 国民の選挙で選ばれる国会議員は、自らの行為によって国民に疑惑が持たれただけでも、国会で説明する責任を負っています。しかも小沢氏にかかわる疑惑は、国民にその収支を公開し、不断の点検を受ける政治資金規正法に違反したというものです。小沢氏が国会で疑惑についての説明責任を果たすよう、強く求められるのは明らかです。

 国会議員が国会で疑惑を説明する場として、政治倫理審査会が設けられていますが、審査会は非公開で議事録も残らない密室です。小沢氏はそうした審査会にさえ出頭せず、一回も国会で説明したことがありません。それでいて国会の外では、政治資金収支報告の虚偽記載は秘書がやったことだなどと主張してきました。

 疑惑の核心は4億円に上る巨額の土地購入資金がどこから出たかですが、小沢氏は、出所は政治資金だとか、自らのたくわえだとか、家族の預金を解約したとか説明を二転三転させています。真相の解明のためには、公開でおこない、偽証の告発もできる証人として喚問することが不可欠です。

国会の役割果たすため

 小沢氏にたいし起訴の手続きがとられることは、国会での証人喚問にとってなんの障害にもなりません。起訴や裁判など司法の場での追及と、国会での真相の解明、政治的道義的責任の追及は文字通り“車の両輪”です。裁判を理由に国会が疑惑解明の努力をつくさなければ、それこそ国会の役割を投げ捨てることになります。

 菅首相が「自ら判断する」というなら、直ちに小沢氏の証人喚問にこたえるべきです。鳩山氏にも資料を提出させるべきです。「クリーンな政治」を目指すという菅氏の発言の真偽が問われています。





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