2010年10月31日(日)「しんぶん赤旗」

対話と協力を発展

東アジアサミット開く

米国・ロシア参加を決定


 【ハノイ=面川誠】第5回東アジアサミット(EAS)が30日、ベトナムのハノイで開かれました。会議は来年から米国とロシアを正式参加させることを決定。「ASEANの中心的役割」を維持しながら、対話と協力のフォーラムとして東アジアサミットを発展させていくことを確認しました。


 会議で採択された「ハノイ宣言」は、東アジアサミットの今後の発展方向と優先課題を明確にするとしています。同サミットは現在、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日本、中国、韓国、インドなどを加えた16カ国で構成。来年から米ロが加わり18カ国に拡大します。今回の会議には、クリントン米国務長官とラブロフ・ロシア外相がそれぞれ「特別ゲスト」として、会議の冒頭と閉幕時に出席しました。

 クリントン氏は会議で、東アジアサミットへ米国が参加するのは、東アジアのさまざまな地域協力機構への関与と貢献がオバマ政権の優先課題だからだと説明。南シナ海問題を念頭に、「米国は航行の自由と妨害のない合法的貿易に国益を有している」と述べました。

 一方、ベトナムのズン首相は会議で、「国と国の関係における行動の基準と規範を発展させる必要がある」と指摘。「ASEANは、現存するさまざまな利益集団を調和させる重要な役割を果たし、協力の枠組みを結びつけるハブとして活動する必要がある」と強調しました。

 会議後に発表された議長声明は、東アジア地域協力のほかに、朝鮮半島情勢に言及。「朝鮮半島の完全で検証可能な非核化を支持し、関係国が適切な道筋で6カ国協議に復帰するよう促す」とともに、「国際社会の人道上の懸念に対処する重要性を強調する」として、日本人拉致問題に間接的に言及しました。

 11月7日のミャンマー総選挙については、「国民間の和解および自由、公正、包括的参加による総選挙の実施の重要性と、これらがミャンマーの安定と発展に貢献することを強調する」としました。





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