2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」

統合向け基本計画採択

ASEAN首脳会議開幕

南シナ海問題で指針作成へ


 【ハノイ=面川誠】第17回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が28日、ハノイで開幕しました。初日の会議で「ASEAN連結性に関するマスタープラン(基本計画)」を採択。ASEAN共同体建設の目標年度である2015年までに、交通、通信網などのインフラを総合的に整備し、人と物、情報の流れを円滑化することに合意しました。


 東アジアサミットなど一連の関連会議も含め、首脳会議は30日に閉幕します。

 議長国ベトナムのグエン・タン・ズン首相は開幕演説で、ASEAN共同体建設を促進し、東アジアの地域協力で「ASEANの中心性を確実にする方向と方法を引き続き議論すべきだ」と強調。「東アジアサミットの目的、原則、優先課題を堅持しつつ、米ロを参加させて枠組みを拡大する問題も含まれる」と述べました。

 会議ではマスタープランのほか、「経済回復と持続的発展のための人的資源開発に関する声明」、「女性と子どもの福祉、発展の向上に関するハノイ宣言」を採択。経済格差の解消などに努力することを確認しました。

 また、東アジアサミットに来年から米国とロシアを参加させることを承認しました。30日の東アジアサミットには「特別ゲスト」としてクリントン米国務長官とラブロフ・ロシア外相が出席します。

 首脳会議に先立ち、27日に開かれたASEAN外相会議は、中国とASEAN加盟国が領有権を主張する南シナ海における行動について、2012年までにガイドラインを作成することで合意しました。

 ASEANと中国は2002年に、対立の平和的な解決で合意した「南シナ海行動宣言」に署名しました。宣言には法的拘束力がないため、ASEANは「行動規範」の策定を求めていますが、中国との交渉は難航しています。

 このため、ガイドラインを作成して行動宣言の履行を確保することが目的だとしています。29日のASEAN・中国首脳会議で合意される見通し。スリンASEAN事務局長は27日、最初の協議が中国で12月に行われると語りました。

 29日にはASEANプラス3(日本、中国、韓国)首脳会議が開かれます。





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