2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」
里山壊すトヨタ施設
市民ブースで環境保護団体
名古屋市で開かれている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の会場で、最も多くの団体が出展しているのが生物多様性条約(CBD)市民ネットワークの熱田ブースです。地元愛知のNGOをはじめ、日本弁護士連合会など、30以上の団体が週替わりで展示。連日のワークショップ(講習・体験学習会)も盛況です。
28日のワークショップは「21世紀の巨大開発を考える会」がトヨタの新テストコース建設による自然破壊の危険性を報告しました。
計画地は愛知県の旧下山村(豊田市)と旧額田町(岡崎市)にまたがる里山660ヘクタール。なんと東京ドーム141個分です。地球上に1000羽ほどしかいないとされるミゾゴイをはじめ、19種もの絶滅危ぐ種(環境省指定)が生息する地域でもあります。用地買収と造成は愛知県企業庁が行い、完成後にトヨタに売却する計画です。
織田重己代表は「2キロの直線コースは幅が50メートルあります。200キロ出せる道をという理由ですが、今の日本に200キロで走る車は本当に必要なのでしょうか」と指摘。トヨタ側に持続可能な里山整備を求めていることを明らかにしました。
同ブース責任者の吉沢卓さんは「お互いの展示を見ることで連携が深まった」と多団体同居のメリットを語ります。「国際会議のCOP10は市民から縁遠い。だから市民もかかわれるこうした場所が必要と思っています」
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