2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」
献金再開、「クリーンな政治」は虚言
志位委員長 民主党を批判
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日本共産党の志位和夫委員長は28日、国会内で会見し、民主党が企業・団体献金の受け取り再開を決定したことについて「選挙で訴えた公約に逆行する国民への裏切りだ」と批判しました。
志位氏は、「企業献金はどういう形であれカネの力で政治をゆがめるものに変わりはない」と述べた上で、「菅直人首相は、『徹底したクリーンな政治』と言っていたが、政治を汚す根源にある企業献金の受け取りを決めたのは、この言明が虚言だったと言わざるをえない」と指摘しました。
志位氏は、企業献金を受け取るかどうかは、「政党の顔が国民に向いているのか、財界に向いているのかをはかる最大の試金石だ」と述べ、「民主党の今回の態度は、財界中心の軍門に下るという点で、同党の自民党化を象徴的に示したものだ」と強調しました。
志位氏は、「わが党は、企業・団体献金の禁止、政党助成金の撤廃にむけ力を尽くす」と表明しました。
「農業も地域経済も破壊」
TPPに志位氏
28日の記者会見で日本共産党の志位和夫委員長は、政府が交渉参加の意向を示しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、北海道庁がまとめた経済損失の試算を示し、「食料と農業を破壊するだけではなく、地域経済全体を破壊するものであり、断固として反対していく」と強調しました。
北海道が発表した試算では、道経済に与える損失額は約2・1兆円。うち、農業産出額で5563億円、関連産業で5215億円、地域経済で9859億円がそれぞれ減少するとしています。
志位氏は、「約2・1兆円にのぼる損失額のうち、1・5兆円は、農業の関連産業、地域経済が壊されることによるものだ」と指摘。「日本の農業が壊滅的打撃を受けるだけではなく、何倍もの規模で、すでに疲弊している地域経済の破壊を促進することになる。農業破壊協定であり、地域経済破壊協定にもなる」と述べました。
その上で、「自国の食料のあり方はその国が決めるという、国際的にも大きな流れになっている『食料主権』という考え方にたった貿易ルールの確立のために力を尽くしていきたい」と述べました。