2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」
政府の「仕分け」
社会資本特会を廃止
政府の行政刷新会議は28日、特別会計(特会)の「仕分け」を続行し、公共事業にかかわる社会資本整備事業特会を廃止し、同特会に含まれている治水、道路整備、港湾、業務の各勘定は一般会計に移し、空港整備勘定は廃止することを求めました。借金を抱える空港整備勘定は将来的に民間に移管する方向を打ち出しました。
空港整備勘定について国交省の小泉俊明政務官は「急に廃止ともいかないので、地方の意見なども聞いて議論したい」とのべました。特別会計の改廃には法改定が必要です。
社会資本整備事業特会で行われているスーパー堤防は事業廃止とされました。スーパー堤防に対しては地元住民が強く反対し、日本共産党は国会でもたびたび取り上げ中止を求めてきました。
同特会には無駄な大型事業のために一般会計から財源が投入されてきました。廃止して特会を一般会計に移すだけでは無駄が減るとはいえません。
港湾、道路整備については「集中と選択」の観点から「予算要求縮減」を求めました。東京外環道などの大型事業に重点化し、生活道路は切り捨てられる恐れがあります。国交省は港湾では、国際コンテナ戦略港湾(5港)に集中的に予算投下するとしています。
年金特会の年金記録問題解決のための事業は、非効率として予算要求の削減を求めました。郵便局で年金記録を確認できるようにする事業を、枝野幸男民主党幹事長代理が「わざわざ郵便局へ行って見ますか」と問題視しましたが、厚労省側から「民主党がマニフェストで掲げたもの」だと切り返されました。