2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」

オスプレイ ハワイでは環境アセス

沖縄では政府が拒否


 米海兵隊が最新鋭輸送機MV22オスプレイを2012年から沖縄に配備する計画に関連し、沖縄より2年遅れの14年から同機の配備計画がある米ハワイで、すでに環境影響評価(アセスメント)手続きが行われていることが分かりました。

 沖縄へのオスプレイ配備計画については、米側に環境アセスの条約上の義務はありません。米国では行われている環境アセスが日本では実施されないとすれば、極めて異常な事態です。

 ハワイで行われている環境アセスは、米国内法である国家環境政策法に基づくもの。オアフ島の海兵隊カネオヘベイ基地にオスプレイ部隊(2個中隊)と軽攻撃ヘリコプター部隊(1個中隊)を配備する計画が対象です。評価項目は、騒音、公衆の健康・安全、文化財、生物、大気、水質、有害物質、景観など多岐にわたります。

 海兵隊の計画によると、同基地へのオスプレイ部隊の配備は14年から、軽攻撃ヘリ部隊の配備は12年から順次始める予定です。既に今年8月に環境アセスに対する市民らの意見聴取会を終了。来年春には環境影響評価書案を作成する予定となっています。

 一方、海兵隊は、沖縄の普天間基地(宜野湾市)へのオスプレイ部隊(2個中隊)の配備を12年から順次始める計画です。しかし、在日米軍の法的地位を定めた地位協定は、米側に環境アセスを行う義務を何ら定めていません。

 また、日本政府が進めている、普天間基地に代わる新基地建設(名護市辺野古)の環境アセスは、オスプレイ配備が想定されていません。沖縄では、同機の配備計画を受け、環境アセスのやり直しを求める声が強まっていますが、政府は「必要ない」と背を向けています。





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