2010年10月28日(木)「しんぶん赤旗」
雇用安定・能力開発事業
特別会計では廃止
仕分け第1日
政府の行政刷新会議は27日、特別会計(特会)を見直す「仕分け」第1日を行い、労働保険特会でおこなっている雇用保険2事業(雇用安定事業、能力開発事業)と労災保険の社会復帰促進事業を特別会計で行う事業としては廃止し、将来的に一般会計に移すことを打ち出しました。これらは事業主の負担する保険料を財源としています。
廃止とされた事業の中には、不景気で休業せざるを得なくなった事業主が労働者を雇い続ける際に賃金の一部を助成する雇用調整助成金や、介護の未経験者、障害者、シングルマザーなどを雇った事業主への助成金、労災被災者の援護事業などが含まれています。
「介護だけに特化した助成に事業主の理解が得られるか」(枝野幸男民主党幹事長代理)などとして、事業主負担軽減のために一般会計に移すべきだとしました。
しかし、一般会計での財源については「今後検討する」とするだけで、めどはないことを認めています。厚生労働省の小林正夫政務官は「2事業を廃止したら雇用対策はほとんどできなくなる」と述べました。
コメの備蓄などを行っている食料安定供給特会については、「コメの備蓄が赤字を垂れ流している」として、コメと麦の備蓄量を見直し国庫負担を10〜20%減らすよう求めました。
また、漁船再保険及び漁業共済保険と農業共済再保険を統合し、将来的に食料安定供給特会も統合することを求めました。
貿易事業のリスクに備える貿易再保険特会は廃止し、独立行政法人か政府出資の特殊会社に移行するとしました。保険事故への国家補償など国の関与は残すとしています。
特別会計を改廃するには国会での審議が必要です。
日本共産党はコメについては、輸入米であるミニマムアクセス米の備蓄を減らし、現在の米価暴落を止めるために国産米の備蓄を増やすよう求めています。