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2010年10月28日(木)「しんぶん赤旗」
「キューバ経済封鎖 米は解除を」
国連総会が決議 19年連続
反対は米とイスラエルのみ
【メキシコ市=菅原啓】国連総会は26日、米国による対キューバ経済封鎖の解除を求める決議案を圧倒的多数の賛成で採択しました。
同趣旨の決議採択は1992年以来19年連続。賛成は187カ国で昨年と同数ですが、反対は1カ国減り、当事国の米国とイスラエルだけとなりました。
昨年、反対したパラオは、ミクロネシア、マーシャル諸島とともに棄権に回りました。
米国のオバマ大統領は昨年4月、キューバとの関係の「新しい始まり」を唱えましたが、1962年以来続くキューバ封鎖政策の基本は維持しつづけています。
採択にあたって、提案国キューバのロドリゲス外相は「米国が封鎖をなくす意図を持っていないことは明白だ」と指摘。封鎖開始以来キューバが受けた被害総額が1000億ドルを超えることを明らかにし、「米国の対キューバ政策は道義的にも法的にも根拠がなく、信頼も支持も受けていない」と批判しました。
討論では、米国の封鎖政策が、キューバと商取引をする第3国の企業まで制裁の対象としていることについて、各国から国際法違反との厳しい批判の声が上がりました。
ベネズエラのバレロ国連代表は、封鎖政策をキューバとの貿易を決定する国の「正当な利益を害するものだ」とのべ、早期撤回を要求。非同盟諸国運動、経済問題での途上国組織「77カ国グループ」、南米南部共同市場(メルコスル)の代表らも次々決議案に賛成を表明しました。
米国代表は、封鎖政策はあくまでキューバとの「2国間の問題」とのべ、キューバの現体制の在り方を一方的に問題視し、封鎖の圧力で体制変革を促そうとする自国の立場を擁護しました。