2010年10月27日(水)「しんぶん赤旗」
看護師9割超が疲労
国立大病院 十分な看護できない
全大教調査
全国大学高専教職員組合(全大教)病院協議会はこのほど、国立大学病院の看護労働実態調査の結果を発表しました。看護師の9割以上が身体的、精神的な疲れを感じていることがわかりました。
調査期間は昨年9〜10月で、国立大学27大学の看護師ら8666人が回答しました。
2007年以降、42ある国立大学病院のうち40病院で、患者10人に看護師1人を配置する「10対1看護」から、患者7人に看護師1人を配置する「7対1看護」が実施されています。また今回の調査では、長時間夜勤となる2交代勤務をしている看護師が5割を超えました。
調査結果によれば、「身体の疲れ」について「とても疲れる」が46・2%、「やや疲れる」が49・4%でした。「精神神経的な疲れ」では、「とても疲れる」が49・1%、「やや疲れる」が45・7%でした。
「強い不安、悩み、ストレスがある」と回答した看護師は、85・5%にのぼり、その理由として50・4%が命や健康を預かるなど「仕事の質」によるものとしています。
看護内容について、「患者に充分な看護が提供できているか」では、「あまりできていない」「ほとんどできていない」があわせて58・7%で、その理由として、「退職や異動で職場のメンバーがよく替わり蓄積がない」が39・4%でした。
自由記載欄では、「7対1看護」について、「以前よりケアを手厚くできるはずだが、日勤者の人数がぎりぎりで、ケアというより業務をこなしているだけ」「看護師は増員になったが、新人教育に追われ、患者のケアに時間をさけない」などと書かれています。
また、夜勤について「午後3時30分から午前8時30分という長時間にもかかわらず、17時間の間に30分から1時間しか休憩を取らずに人の命を任せられている。集中力もなくなり、配慮も欠ける」などの声が寄せられています。
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