2010年10月27日(水)「しんぶん赤旗」

漫画で「反戦」伝える

ちばてつや、水木しげるさんら

中国人民抗日戦争記念館


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(写真)戦争で亡くなった母子を描いた里中満智子さんの作品を見る参観者=20日、抗日戦争記念館(小寺松雄撮影)

 【北京=小寺松雄】日本の漫画家らの戦争体験と反戦の思いを伝える「私の八月十五日展」が、北京郊外の中国人民抗日戦争記念館で12月1日まで開かれています。

 館内の一角約400平方メートルに展示されている漫画は121枚。ちばてつや、水木しげる、やなせたかし、赤塚不二夫(故人)、松本零士、田村久子、里中満智子、北見けんいちの各氏ら、戦後生まれも含む100人が作品と文章を寄せています。

 主に1945年の終戦の体験をもとに、「戦争だけはもうごめん」の気持ちを漫画と文章で訴えています。戦前の中国での体験を描く人も多くいます。

 他の分野で活躍する山田洋次、海老名香葉子、日野原重明、永六輔、石子順の各氏らの文には、漫画家が描いた絵が添えられています。

 作品の多くは昨年8月15日から約1年間、江蘇省南京市の南京大虐殺記念館で展示されたもの。漫画と文章の寄稿依頼は、「八月十五日の会」の代表幹事を務める漫画家の森田拳次さん(71)が中心となりました。

 北京では、1931年に日本が中国侵略を開始した柳条湖事件の79周年にあたる今年9月18日から展示が始まりました。

 熱心に展示作品を見ていた北京市の男性(61)は、「私の祖父母は日本人孤児を一時期育てたことがある。それだけに中日国民の友好と反戦の思いは大事だ」。別の男性(30)も「戦争はどちらの国の国民もすべて傷つけることが展示でよくわかった」と語りました。

 日本の漫画が好きだと言う女性(24)は、「8月15日は、戦争が終わり、両国の人々が新しい希望を持つことができた大切な日。その気持ちがどれもよく描かれていた」と述べました。

 同記念館の李宗遠副館長は、「中日関係が微妙になっている今だからこそ、この展示が首都北京で開かれる意義は大きい」と、参観を呼びかけています。





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