2010年10月26日(火)「しんぶん赤旗」

働きたいのに

悩み、不安、つらさ 車座で語り合い

東京の学生が「就活カフェ」


 「やる気がなくなり、何をしたいのかわからなくなった」「卒論どころではない」。21日、東京都三鷹市で開かれた「就活(就職活動)カフェ」座談会。就職活動をしている学生が悩みや不安、つらさを語り合いました。長期化・早期化している就活への疑問や要望、どういう働き方をしたいかなどにまで話題はふくらみました。


 学生たちは、車座になって、お茶を飲み、おかしを食べながら語り合いました。午後6時半すぎから約2時間半におよびました。

 都内の学生がよびかけ、就活中の4年生を含む10人が参加しました。首都圏青年ユニオンの山田真吾書記次長が一緒に考えました。

電話とれず不合格

 私立大学4年生の雅夫さんは、昨年の10月から就活を始めています。ことしの5、6月までは志望を絞って活動していましたが、夏からは手当たりしだいにやっています。1日に2回面接をして、最終面接までいった金融業界では、「○日までに電話がなければご縁がなかったと思ってください」と言われて待っていました。携帯電話が「圏外」のときにかかってきて、後でこちらから連絡しましたが、取り扱ってくれませんでした。

 「上役の人とも話をし、会社のイメージもかたまってきていた。たまたま電話に出られなかっただけで不合格になるなんて理不尽だと思う」

 私立大学4年生の恵さんは40社にエントリー(説明会などの申し込み)し、約20社にエントリーシート(志望動機などを記入する会社独自の応募用紙)を出しました。「面接までいけたのは10社に満たなかった」といいます。最終面接までいった会社もありましたが、内定をもらえませんでした。同じゼミの学生はみんな内定をもらい、焦りがあります。結果待ちの会社が一つあり、毎日ポストを見ています。

 「母子家庭なので、経済的にも留年はできません。このまま決まらなければ、実家に戻ってバイトをしながら職を探すしかありません」

 私立大学4年生の龍二さんは、大学のゼミや卒論に取り組んでいます。就活の波に遅れまいとインターネットの就職情報サイトに登録し、30社にエントリーしましたが、ほとんどの会社が募集していませんでした。

 「学生の本分は学業だと思う。学業を優先させると就活に乗り遅れる仕組みに疑問を感じます」

みんなの話を聞き

 「働くとは?」という山田さんの問いに「経済的自立」「自分と社会をつなぐこと」などの意見が出されました。一方で、「長時間労働を強いられて病気になった人の話を聞くと働くことに疑問を感じる」など、就職後の不安も語られました。

 要望として就活のための交通費の補助や早期化の規制などがあげられました。

 恵さんは、「あきらめていたけど、みんなの話を聞いてやる気が出ました」と話していました。

 (学生名はすべて仮名)





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