2010年10月25日(月)「しんぶん赤旗」

大学に警官常駐は違憲

最高裁 教授ら「記念碑的判決」

エジプト


 【カイロ=伴安弘】エジプト最高裁は23日、エジプト最大のカイロ大学の構内への警察官常駐は憲法違反だとする下級審の判決を支持し、その退去を政府に命じました。

 判決は「大学キャンパスへの警察官常駐は(大学の)学術文化のメッセージを妨害するものであり、憲法に違反する」と述べています。判決はカイロ大学だけでなく、すべての大学に適用されます。

 訴えはカイロ大学の教授グループから出されていたもので、警官の常駐は大学の自治を守るとうたったエジプト憲法に違反すると主張していました。

 原告の一人アブデル・ムスタファ教授は「これまではアカデミックな問題への治安組織による介入があった」とし、「この記念碑的判決は他の国立大学での問題の解決につながる」とエジプト紙に喜びを語っています。

 ヒラル高等教育相は判決文を受け取り次第、判決を履行するとし、「必要とする大学には警察官ではなく民間警備員を派遣することを検討する」と述べました。

 人権団体は、常駐の唯一の目的は学生の政治活動への参加を阻むことにあるとしていました。大学構内への警察官の常駐は1981年に非常事態令が導入されて以来続けられ、しばしば、野党のムスリム同胞団や左翼政党に所属する学生の対政府抗議活動などを抑圧してきました。





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