2010年10月23日(土)「しんぶん赤旗」
家族農業が多様性守る
農民連・食健連が国際フォーラム
生物多様性 COP10 in 名古屋
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生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれている名古屋市内で、農民連と全国食健連は22日、国際フォーラムをおこない海外5カ国の代表を含め110人が参加し「家族農業は生物多様性を守る」と訴えました。
共催した世界的な農民組織「ビア・カンペシーナ」の国際調整委員のヘンリー・サラギ氏は、10億人になる飢餓問題、気候変動問題、生物多様性減少問題に実効ある対策が示されていないと指摘。「食料主権のもと持続可能な家族農業の発展こそ本当に大事だ」としました。
フランスやカナダの農民からは、遺伝子組み換え種子や1年限りの種子が増えていることに「種子には化学農薬・肥料がつきものだ。土壌劣化で生物がいなくなる」「種子の自家採取ができなくなる」と危機感を表明。農民連食品分析センターの八田純人さんは遺伝子組み換えナタネが日本の港や道路に落ちて在来種に混ざっている実態を警告しました。
農民連COP10対策チーム責任者の斎藤敏之さんは、日本は輸入自由化のなかで効率性だけ追求し農薬と化学肥料に依存した農法が奨励され、田んぼや川にすむ生き物が減少していると強調。農民と消費者の連携、農山村で暮らせる林漁業の発展と自然保護の総合対策を訴えました。
コウノトリが生き残る有機水田をつくる「コウノトリ米」活動(兵庫県・豊岡エコファーマーズ)、親子とともに有機栽培の「田んぼの生き物調査」(山形県・置賜農民連青年部)、在来種の「白毛もち」を復活した長野県・上伊那農民組合産直センターなど各地の活動を交流しました。
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