2010年10月23日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「就活の 孫と一揆だ 世直しだ」。先週、「年金者一揆2010」の会場にひるがえるムシロ旗に書かれていた標語です▼就職難のお孫さん。お年寄りを差別する後期高齢者医療制度の廃止や、年金の充実を求める高齢者。さあ、ともに世直しへ―。五七五語調のはずむ言葉に、あいづちを打ちたくなります。「よし!」▼現実は、世代の対立をあおる宣伝がさかんです。お年寄りの福祉を切り詰めないと、若い人の税や保険料の負担を重くする。上の世代が仕事を奪い、下の世代は給料も低く職もない…。出どころは、社会を支えるための出費や人件費を削りたい財界です▼さて、政府の年金「改革」案に反対するフランス人はいま、世代対立のわなにはまっていないようです。高校生も大勢が、ストライキや行進に加わります。労働者が退職する年齢、年金が満額もらえる年齢を遅らせる「改革」案。もちろん、労働者は「ノン!」▼高校生たちは、見破りました。先輩の退職年齢が延ばされると、その分、若者の就職がむずかしくなる。将来、負担も重くなるばかり。政府が、そう仕向けている。労働者とともに、政府に立ち向かおう。フランスはいま、「就活の 孫と一揆だ 世直しだ」の日々です▼18世紀フランス大革命のころに生きたある文学者が、意味深い言葉を残しています。かいつまんで紹介しましょう。“さまざまな思想のうち、よりよい社会をつくろうとする人類進歩の思想だけが、世代と世代の間の通い合いを打ち立てる”





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