2010年10月23日(土)「しんぶん赤旗」
築地市場
汚染地に移転強行へ
石原知事が予算執行表明 共産党抗議
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東京都の石原慎太郎知事は22日、築地市場(中央区)を高濃度の土壌汚染が問題になっている東京ガス工場跡地(江東区豊洲)へ移転する予算の凍結を解除して執行すると明らかにしました。予算は3月都議会の付帯決議を受けて凍結していたもの。移転の是非は都議会が調査を継続中で、これを無視して移転関連予算の凍結解除に踏み出したことに都民から批判があがっています。日本共産党都議団は同日、抗議の談話を発表しました。
石原知事は同日の記者会見で「議会が決めかねるなら知事が歯車を元に戻すしかない」「(議会の検討は)やり尽くした」と述べ、2014年度に新市場を開場したいと語りました。
移転関連予算は豊洲予定地の購入費1260億円、土壌汚染対策費5100万円、新市場の基本設計費9000万円、工事費19億円など総額1281億円。移転予算の執行については3月都議会で石原知事が「議会の意思は尊重していきたい」と答弁。都議会は予算に「知事は議会における検討結果を尊重すること」との付帯決議をつけました。
都議会はこれまで、特別委員会で豊洲移転計画と現在地再整備案を検討し、9月都議会では調査の継続を決めたばかりです。
都は豊洲の土壌汚染対策費を586億円と試算していますが、専門家からは「欠陥対策だ」「食の安全・安心は守れない」と批判の声があがっています。
日本共産党は豊洲地区が発がん性物質のベンゼンや猛毒のシアン化合物などで高濃度に汚染されていること、都の汚染処理が欠陥対策でごまかしだらけだということを追及。巨大施設計画を見直し都が財政投入すれば、業者の負担を少なくして築地の現在地で再整備することは十分可能だと提案しています。
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