2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」
多様な生物保つ農業
公害地球懇シンポ開く
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生物多様性条約第10回締約国会議がおこなわれている名古屋市で21日、市民団体の公害・地球環境問題懇談会(公害・地球懇)が主催したシンポジウムが名古屋学院大学で開かれ話し合いました。
「生物の多様性と農林水産業の未来」のシンポジウムでは、三重大学大学院の石田正昭生物資源学部教授は「日本ほど生物多様性がある国は世界にない。陸も海もさまざまな生き物がいる。しかし、その保全と持続的利用ができなくなっている」と指摘し、輸入が増え耕作放棄される現状に危機感を表明しました。国土保全に役割をもつ水田農業を守り、持続的な農業、市民参加による支援の大切さを話しました。
農林団体、消費者団体からは「遺伝子組み換えで種子の独占、遺伝資源の減少がある」(農民連)、「木材自給率を高める方針が政府にあるが、間伐されず生物多様性に問題がある」(愛知県森林組合連合会)などの実態が報告されました。新日本婦人の会の安達絹恵さんは同会が5月におこなった「身近な自然の異変チェック」を報告。花が2回咲くようになった、ゲリラ豪雨が多発するなど「悪い方への環境変化が実感できる」と報告しました。
「大規模公共事業が、かけがえのない自然を壊す」シンポジウムでは、長崎・有明海の再生、徳島・吉野川河口ぜきへの高速道路建設、愛知・設楽ダム建設、東京・高尾山にトンネル建設の問題にとりくむ運動を交流しました。このなかで、国内初めてのダム撤去になった熊本・荒瀬ダムの住民運動の広がりに拍手がおくられました。
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