2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」
COP10
政府・経済界に責任
市田書記局長 多様性保全を要求
|
日本共産党の市田忠義書記局長は21日の参院環境委員会で、現在開かれている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の成功のため、日本政府と経済界が責任を果たすよう求めました。
COP10では、動植物や微生物から取り出される「遺伝資源」からできる「派生物」を利益配分の対象にするかどうかが焦点となっています。原産国の途上国は「派生物」も対象とするよう主張しています。
市田氏は、日本経団連が3月に出した「基本的な考え方」で「イノベーション(技術革新)が阻害され、経済発展に重大な影響を及ぼしかねない」とけん制し、派生物まで対象を拡大するべきでないと主張していることを指摘。「(COP10の議長として)この主張に対してどう考えているのか」とただしました。
松本龍環境相は「経団連にも取り組んでいただきたい。企業には社会的責任がある」と述べました。
市田氏は、「資源利用国が提供国に適正に利益を配分する法的拘束力のある議定書の採択が、世界の生物資源と生物多様性の保全に資するし、企業のまともな発展にとってもプラスにもなる」と強調しました。
市田氏は、米国が生物資源での企業活動に制約されることを嫌い条約に加盟していないことを指摘。ある新聞社説でも「大国にふさわしい責任を果たすことを強く求める」としていることを挙げて、議長国として加盟を呼びかけることを求めました。
松本環境相は「アメリカもこの条約に加わってもらいたい」と述べました。
■関連キーワード