2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「滝のように降る」(ゴーゴーと降り続く)。気象庁が目安にする、1時間当たり50ミリメートル以上80ミリメートル未満の、非常に激しい雨の降り方です▼もはや、傘はまったく役に立ちません。80ミリ以上の猛烈な雨になると、「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感じる」。一昨日、奄美大島の奄美市住用(すみよう)町では、なんと1時間あたり約130ミリの雨が2時間続いて降りました▼鹿児島の奄美大島を襲った豪雨。濁流が、街に、道路に押し寄せ、土砂が、人家の庭や広場を、トンネルを埋めました。痛ましいお年寄りの死亡。孤立し救いを求める小中学校の児童・生徒。これ以上犠牲がでないよう、願うばかりです▼気象庁によれば、奄美の名瀬で、20日23時20分までに降った24時間の雨量は648ミリ。過去にのこる記録、581ミリをはるかに超えます。不意をついて雨脚を急に激しくし、しかも長く居すわる豪雨。台風の通り道にあたる奄美の人々にとっても、「こんなの初めて」の試練です▼秋雨前線と台風の影響、といいます。しかし近年、列島の限られた地域を、「ゲリラ豪雨」「通り魔豪雨」が切り裂いてゆきます。数年前、県の観測で1日1000ミリ以上の豪雨にあった、西日本の山村で聞いた話が耳にこびりついています。「地鳴りのようなものすごい音がして、おそろしくてふるえました。とうとう大地震がきたか、と」▼早く奄美にお天道様(てんとさま)が現れますように。そして何より、一刻も早く復旧と再建が軌道にのるよう、万全の支援を。





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